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アクセス回数:4回 リリース日:2024年3月6日
ポートレイトの先に
作詞 松崎史也 
作曲 Yu(vague)
七尾太一/神木坂レニ(MANKAI STAGE)
俺がGOD座にいたころ、MANKAIカンパニーに入る前の話……。

思い出すのは、自分をすり抜けていく視線
板の上で透明人間になってしまったような、そんな感覚
憧れていたGOD座の舞台
いつも舞台の端っこに立ってるだけの毎日だった

その日は千秋楽で、俺は終演後のGOD座の劇場で片づけを手伝ってた。
まぶたを閉じると浮かぶのは、満員御礼の客席から鳴りやまないカーテンコール。舞台の最前列中央で何度もお辞儀するトップスターの丞サンの姿は、
全身から自信があふれて輝いていた。

いつかあんな風に舞台の真ん中で輝ける日が来るのかな
そんな日が来たら、みんなが拍手を送ってくれるのかな
初恋のあの子も、見直したってほめてくれるのかな

俺はいつの間にか舞台の真ん中に……0番に立っていた。
いつか自分もこの場所に立ちたい! そんな思いで丞サンと同じセリフを口に出した。でも次の瞬間……あの人の笑い声が聞こえてきた。

ここまで華がない役者がGOD劇場の0番に立ったのは史上初かもな。
す、すみません、レニさん! 俺……!
お前が0番に立つ資格があるとでも……? なんておこがましい。

「どこまでも華がない
お前が舞台の上に立ってても、誰も見向きもしない
隅っこがお似合いの役者……
価値のない十把一絡げの役者……
舞台の中央に立つ資格なんてあるわけがない」
今でも思い出す……あの時の言葉
あの時の……悪魔のささやき……

お前が役を掴み取る方法は一つだけだ。……七尾太一、私の手駒として役に立て。

そうして俺は、この劇団にスパイとして入団して……許されないことをした。
それでも、ここが俺の居場所だって認めてもらえて、みんなと一緒にいたくて、
恩返ししたくてがんばってきた……。

だけど……。
みんなと秋組の公演を重ねた
0番に立つみんながまぶしかった

あの時GOD座で丞サンを見た時と同じように……。

きっときっと自分はあんな風に輝けない
秋組のみんなに敵うことなんて一つもない
みんなを差し置いて0番に立つ資格もない
だって俺は隅っこがお似合いの
さえない……役者だから……

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